莉奈とサトちゃん
そこに立ってるの、絶対サトちゃんだよね?
待ち合わせは8時。もう、3時間も経ってるんだよ?
どうしよう………サトちゃん、スゴく怒ってるだろうなぁ。なんて声をかけようか迷ってたら、サトちゃんがアタシに言った。
「莉奈ちゃん!」
アタシ、なんて言ったらいいのかわからなくて、下を向いて黙ってたんだ。そうしたら……
「よかったぁ~~。無事で本当に良かった!ケータイ繋がらないし、もしかしたら何か事件に巻き込まれたのかと思って、本当に心配したんだ」
「サトちゃん、今までずっと待っててくれたの?」
「うん……僕が今出来るのは、待つ事くらいだから」
そう言って、サトちゃんは笑った。
アタシ、本当にサトちゃんに悪くて、謝らなくちゃって………
「サトちゃん、ごめんなさい……アタシ………」
「いいんだ」
「えっ?」
「君が今、無事な姿で僕の前に現れてくれた。それが、何より嬉しいんだ」
今日は直弥の事とかあって、ホントにサイアクだと思ってたけど………
サトちゃんのおかげで元気が出たよ。
アタシ、今サイコーに幸せな気分カモ。
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