諦めない力

貫は自分の競技が終わると午前中、補助員をやっていた人と交代する時間になって、男子の中で一番足の早い足立悠輔と一緒に補助員のいる本部に行った

「足立くんは、ベンチから離れてよかったの」
「大丈夫だろ、有里さんがいるし」
「まぁ、そうだね」
「心配だった」
「いや、そんなことはないんだけど」
「なら、大丈夫だよ」

本部に着いて、中に入っていくと穂乃歌ひよりを含め4人の人がいた
穂乃歌さんと仲のいい酒向 滴。同じクラスの小川 りょう奈。誰にでも優しい陸上部のお姉さんの澤井 美咲。そして、男子はいつも弾けている陸上部のやんちゃな問題児の吉口 直也の四人で補助員を回していた。

「二人が変わってくれるの」
と彼女が聞いてきた。そうすると、足立が
「そうだけど。さすがに二人では全ての仕事を回すことは出来ないから、誰か残ってくれないかな」
と言った

そうすると、四人が相談し始めた
「ヨッシーは、代わってほしいでしょ」
「うん」
「ひよりちゃんはどっちがいい」
「私は残ってもいいよ」
「りょう奈さんは」
「りょう奈もどっちでもいいよ」
「滴は疲れてるし、代わってもらうといいよ」
「ありがとう。じゃあ、そうする」
「決まったよ」
と穂乃歌さんが言うと
「私とりょう奈さんが残って二人を手伝うことにしたよ」
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