鬼部長の優しい手
「…部長こそ、覚悟してくださいね。
浮気なんてしたら、
私もしますからね!」
…恥ずかしすぎて、死にそう。
でも、余裕がなくなって、
驚いた顔の部長が見れたから満足。
今度は私が得意気に微笑む。
だけど、私が主導権を握るのはそこまで。
「わっ…!」
驚いた顔をしていた部長は
すぐさま、さっきと同じ意地悪な笑みを
浮かべ、私の腕をぐいっと引っ張った。
バランスを崩し、
部長の胸に飛び込む私を、
部長はそのまま優しく、強く、
抱き締めた。
「浮気なんてしない。
もうお前しか見えてない。
…お前が呆れるくらい、
ずっと愛してやるよ」
…部長はお得意の意地悪な笑みを浮かべ、私にまたキスをした。
…ああ、もう。
部長にはきっと一生敵わない。
これからもこの人に
振り回されるんだ。
私はそんなことを考えながら、
部長との甘いキスに酔いしれた。