鬼部長の優しい手
決意と計画実行後~山本 梓の場合~





「上手くいった?」



人より少し長いまつ毛を揺らし、
不安そうに聞いてくる黛実ちゃん。



…そんなさー、胸元が少し開いて、
谷間が見えるような格好で、
しかも首を少し傾けて、


そんな可愛く聞かないでよ。





シャツのボタンを上までとめていないせいで見える、白くきれいな谷間に、目を奪われる。



「ちょっと、山本、聞いてるの?」


「ああ、ごめん

…なんだっけ?」



「だから、部長と凉穂上手くやれてるかなーって話よ。


って言うか、あんた電話してくるの早すぎ!
注文も何もしないまま出てきちゃったわよ。」


少しつり目がちの目を細め、
怒った様子で俺を睨む黛実ちゃん。



…おー、怖い。
怒った黛実ちゃんは部長と並ぶくらい
怖い顔するからなー…

これ以上黛実ちゃんを不機嫌にはしたくない。
やっぱり、好きな女には笑顔でいてもらいたいしね。




って、俺なに考えてんだよ。



「あー、ごめん!
完全にタイミング間違えた。

俺も焦った。気付いたら発信ボタン
押しちゃってて」



「なんで、あんたが焦るのよ。

って言うか気付いたらってなに、
気付いたらって!」




俺の言葉にまた、怒りを爆発させる黛実ちゃん。





あ、地雷踏んじゃった。


でも、俺の言葉に反応してくれてるってわかって、ちょっと嬉しく感じちゃう俺って、


M?



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