鬼部長の優しい手
「えっと…、
身内だけで小さな規模で挙げたいんですけど…」
「イメージとかが…全くなくて…
というか、未だに結婚するって実感ってのも
わかなくて」
可愛らしい声で彼女の方が、おずおずと
喋り始めると、それをフォローするように彼氏の方が話し始めた。
「イメージがないなんて、
困りますよね、すみません…
あ、あのなにかパンフレットとかを…」
「全然!ノープロブレムです!」
「え?」
意気揚々と上げた私の声に
驚きを隠せない様子の2人。
困るなんて、そんなことない
むしろ俄然燃えてきた!
私はさっきまでの、不安が嘘のように
ピュアな2人に引っ張られ、
俄然やる気が出てきた。
「大丈夫ですよ、イメージがなくたって。
あの、それと差し支えなければ
どうして結婚する実感がわかないのか
聞かせてもらっても大丈夫ですか?」