鬼部長の優しい手
「いいんですか?
そんな、打ち合わせと関係ないことを
話しても…」
私の言葉に2人ともぽかんとして、
ためらいながらも、そう聞いてくる。
自分達の話をするのが、
恥ずかしいのか、2人とも少し顔を
赤くして下を向いて、
そんな2人の様子を見て、可愛いなぁなんて考える私。
「関係なくなんか、ないですよ!
2人の結婚式なんですから、
2人の話ならなんだって、打ち合わせに
必要です」
私はできるだけ、安心してもらえる
ようににっこりと微笑んだ。
「…僕達、幼なじみなんです。
もう、十数年一緒にいて…」
私の笑顔を合図のように、
彼氏の方がぽつぽつと、話しはじめた。
「小さい頃から、ずっと一緒だったから、結婚するって決まっても
全然実感がわかなくて…」
「あー…、なるほど、
幼なじみだったから、いまいち実感が
わかなかったんですね…」
小さい頃から、ずっと一緒で
結婚して、これからもずっと一緒で
なんて、考えてみるとすごい。
私もそんな結婚したい…
27歳でみるような夢じゃないけど…