鬼部長の優しい手
「やっぱり、本当なのね!?
どうして、部長と…?
どういう経緯で!?」
「えっと、
話すと少し長くなるんだけどて」
黛実の言葉に少し、焦る私。
……あんな話、
どう説明しろっていうの……
“ご飯に行って、そのまま流れで
部長の家に行った”?
“部長はお酒が入ると甘え上戸に
なるんだよ”とか?
……言えるわけない!!!
「意外どころか、想像もしてなかったわよ。
あんたが部長とご飯に行くなんて。
涼穂の苦手そうなタイプじゃない?
ああいう厳しい人って。」
「うーん、そのはずだったんだけどね」
周りの人にバレないよう、小声で会話する黛実と私。
そうなんだよね……
部長っていっつも怒ってるイメージが
あったから、
そういう人は、苦手なタイプだったはずなのになぁ…
そんなことをしみじみと考えているとき
頭の上に、大きく暖かいものが置かれた。