鬼部長の優しい手
「随分と楽しそうだなぁ…
七瀬…?」
「ぶ、部長…」
…私の頭の上に置かれたそれは、
紛れもない
部長の手。
き、聞こえてたんだ…っ
い、いやそれにしてもなんで私だけ
手を置かれてるの…!?
黛実だって、しゃべって…
そんなことを思い黛実の方を見ると
まるで、なにもなかったかの様に
パソコンに向かう黛実の姿。
な、なんであんなに平然とできるの…!?
黛実の裏切り者ーっ!
その怒りをぶつけるように、私は
黛実を睨む
その間にも部長の大きな手は私の頭の上に置かれていて、
「…まったく、お前は
最近は、よくやっていると
思っていたのに…」
久しぶりに聞いた、部長の呆れた
ため息。
…うーん、これは久しぶりに
雷が落ちるなぁ…。しかも相当
でかいのが。
そんなことを冷静に考えながら、
怯えていると、頭上から思わぬ言葉が聞こえてきた。