鬼部長の優しい手
「話すんなら、俺の聞こえないところで話せ」
「…え?」
部長、今何て言った?
”話すんなら、俺の聞こえないところで話せ“?
そ、それって…
見逃してくれるってこと!?
部長の予想外の言葉に驚いていると、
今度はいつかの日のように、
ぐっと間合いを詰められ、部長は
私の耳元で、こう言った。
「…それと、
俺の家であったことは、
二人だけの秘密だ。いいな?」
「…えっ…」
…あの日、酔った時と同じ
とびきり甘い声で部長はそう言った。
…ひ、秘密って…
…その顔でそんな声で、
そんなの、反則…っ