恋愛なんて、めんどくさい。
「…助けに来てくれて、ありがと。」
「ホントだよ。
急に居なくなったかと思えば、ナンパされてるわ、その上ナンパ野郎に“気色悪い”とか言ってるわ…。」
ゔっ、
「俺が居なかったらどうなってたことやら…。明るいからこそ危ないって言っただろ?」
うゔっ、
「マジビビったけど無事で良かった。
…あんま心配させんなよ。」
キュン。
…きゅん?
ううゔっ、でしょ?そこは。
「ゴメン…」
「…悪いと思ってんならこれからは危険なことすんなよ?
女の子っつー自覚を持て!自覚を!」
そう言ってあたしの頭をポンポン撫でる深宮。
うわ~。
さっきまで何故か真剣に怒ってたくせに。
その笑顔で“頭ポンポン”は
ダメだよ。
ホントズルい、それ。
も~、存在自体がズルい。
不覚にも“胸キュン”とやらをしてしまったではないか。
Q.こんなことされて嬉しくない女の子がいるでしょうか?
A.いません。
「…ばか。」
「なんか言った?」
「別に!」
「そ?んじゃ、帰るか。」
「……ん。」
ばか。ありがと。やっぱばか。
帰り道、そんな言葉を心の中で繰り返していた。