恋愛なんて、めんどくさい。

誰?!もはや誰?!


「ホントに柊…?」

「“寧々”って呼んで?」

「柊、どうした?!」


「ん~ん。柊じゃなくて寧々だってばぁ、ね~ねっ!呼びなさい、つか呼べ。」

脅迫…?


「………寧々?」


「んっ♪」


高熱のせいで幼くなってんのかな…





―ぎゅ。







ん?

んん?




ベッドから半分体を起こして、身を乗り出して俺の首に腕を巻き付ける(抱きついている)柊。


…コレワイッタイドウユウジョウキョウナノデスカ?



「深宮…(の体温が自分より低くて)キモチイ…」


いやいや。(熱のせいで)潤んだ瞳で(熱のせいで)火照った顔で (熱のせいで)熱い体で

この体制でそのセリフは。




…俺だって健全な男子高校生




いかんでしょうよ。



「…誘ってんの?」


「どこに?」


快楽の世界に…、じゃなくて。

キョトンとした目に、少し開いた口、軽く傾げた首。



だから無防備過ぎるんだって。

襲うぞ、こんにゃろ。





当の本人は

「キモチィ~♪」

とか言ってさらに抱き締める力を強めてる。




「マジ、勘弁して…」

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