恋愛なんて、めんどくさい。
「え~~!せっかく深宮いるんだから、なんかしよ~よ~」
「俺は看病する為に居るの。」
半分自分に言い聞かせる。
「看病→病院→院長→医者……お医者さんゴッコとか?「誰がやるか。」
…ちょっとやってみたい気もするけど。
「冗談だよ~」
「当たり前。」
あ、医者で思い出した。
「病院行かねぇの?」
「…いいの。嫌いだもん…。」
「薬は?」
「市販のあるし。」
「朝飲んだ?」
「…飲んでない。」
でもなんか食ってからじゃねぇと飲めないし…
「なんか買って来る「いや。」
立ち上がりかけた俺の制服の裾をきゅっと掴む柊。
え?
「置いてかないで。」
「でもなんか食ってからじゃねぇと…「いい。薬飲まなくてもいいから。置いてかないで…、ひとりにしないで…」
今にも泣きそうな表情で俺を見上げてる
―ズキン。
「俺はどこにも行かねぇよ。」
「ホントに…?」
「ああ。行かねぇ。」
小さな子をあやすように頭をポンポン撫でる。
「…よかったぁ」
またふにゃぁっと笑う。
…だからさー、なんでそう簡単に、しかも無意識に、俺の理性を崩そうとするかな。