恋愛なんて、めんどくさい。

「女物しか干してないと《女の独り暮らし》ってゆーのがバレて、泥棒とか変態とかに狙われ安くなるでしょ?
だから、男も居ますよアピール…つまり泥棒防止だよ。」



そうだったのか。俺はまんまと引っ掛かったってわけか。



ほっ。

…ほっ?


今俺ほっとした、のか?


何に対して?



…ま、いいや。


「―――ないの?」


「ゴメン、聞いてなかった。
何?」


「だから、深宮は暑くないの?あたしもう暑く暑くて…」


手で扇ぎながらカーデを脱ぎだした。


はぁはぁと荒い息づかい。
しっとりと汗を掻いた体。





!!!!


「扇風機付けるから!お茶持ってくるし!
だから服着ろ、服!!」


そこにあった扇風機を急いで付けて、ワンピースまでも脱ごうとしてる柊の手を止める。


「…わかった。」



いつもの柊だったらこんなこと絶対しないだろ…いや、たまにするか。


でも無意識はより怖ぇーな…


「ん。お茶。」


「ありがとー♪」

ペットボトルのお茶をコップに注いだだけだけど。

「深宮は飲まないの?」


「俺はいいよ」
「ダメだよ!脱水症状起こしたらどうするの!」
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