恋愛なんて、めんどくさい。
「何で謝ってんの…?」
―ズキン。
まただ。
痛ぇ。
《ひとりにしないで》
《料理も洗濯も掃除もイヤってほどしてきたの》
《誰かにご飯作ってもらったのなんて10年ぶり》
《ごめんなさい》
《独りが好きだから》
「…ごめ「謝んなよ…」
柊の唇を自分の唇でふさぐ。
「………ん…」
…………。
まて。
俺は今何をした?
柊の寝言を止めようとして
…キスした?
やべー!やべー!やべぇー!!
何やらかしてんだよ俺は!!!
柊は…、寝てる。
…言わなきゃバレねぇよな?
いやいや、それじゃ寝込み襲った変態だろ!
…襲ったのは間違いないか。
うわー!どうする?どうしたらいい?
…無かったことにしよう。
それが1番だな。
自己完結して、柊の方に視線を移す。
掛け布団からはみ出した手に触れると
握り返してくる柊の小さな手。
「どこにも行かねぇよ…」
何があったかは知らねぇけど
俺はお前を独りにしない。
離れろって言われるまでそばにいる
ウザいくらいにつきまとってやるから。
覚悟しとけよ、バーカ。