恋愛なんて、めんどくさい。
雨
家の前に着いたはいいけど。
「…………。」
「…………。」
…沈黙が痛い。
「……あの「っくしょん!」
バカバカ、あたしのバカ!
深宮なんか言いかけてたのに!
「雨に濡れたから悪化したんじゃねぇか?!俺帰るから早く家入れ!」
「こんな降ってんのに?」
例えるなら滝だ。
「俺は風邪引かねぇし」
「馬鹿だから。」
「そうそう…、ってひでぇなおい。」
「半分冗談だよ。…家来る?」
「半分かよ!…ってはい??」
「わざわざ迎えに来てくれたのにこんなどしゃ降りの中チャリで帰すとか、人としておかしいってゆーか、寝覚めが悪いってゆーか、だからそんな深い意味はないから。別、嫌ならいいんだけど…」
正直超気まずいし。
自殺行為なのはわかってるけど
「い、良いの…?」
「あたしが帰したくないって言ってんだから、良いも悪いも無いんじゃない?」
後に退けなくなっちゃった。
「じゃあ…、お邪魔します…」
「どうぞ…」
またも微妙な空気。
「………。」
「………。」
苦しい沈黙の中、階段を登るカンカンという音だけが響く。