恋愛なんて、めんどくさい。
あたしが小2になった頃。
ケガが治ったばかりの1歳の弟を保育所に預けて、母は働き出した。
―ここからがホントの地獄の始まりだった。
学校から帰って弟を迎えに行って今まで同様家事をこなす
…ここまではまだ良かった。
問題は、今までとは比べ物にならないくらいイライラしてる母だ。
帰ってきて急に暴れ出すなんて事が日常茶飯事になった。
初めのうちは慣れない仕事で疲れてるんだろうと思って、そっとしておいたけど、
段々そうも言ってられなくなった。
母は八つ当たりの矛先を“物”から“あたし”に変えたんだ。
「あんたが悪いのよ。こうなったのは全てあんたのせいなんだから!」
最初はこんな台詞だった。
勉強もしてる、家事もしてる、弟の育児だって手を抜いた覚えがない。
そりゃ、完璧とは言えないけどあたしに出来る精一杯の事はしてるつもりだった。
なのにどんどんヒートアップしていく母の罵倒。
「あんたさえいなければ」
「あんたなんか産まれてこなきゃ良かったのに」
「顔も見たくない」
「消えろ」
「死ね」
…あたしの何が悪いのかさっぱりわからなかった。