恋愛なんて、めんどくさい。



色んな事をした。



お陰で通帳はどんどん溜まっていって、中3の夏頃にはアパートの敷金礼金や家具、電化製品代などを引いても、お釣りがくるくらいになっていた。



だから久々に丸1日休んだある日。

いつの間に寝てしまったんだろう。




―夢を見た。


あの悪夢。


小さいあたしは抵抗もせずに

ただ

「ごめんなさい。」

と謝っている。



気分悪い。

せっかくの休みなのに何でこんな夢見なきゃいけないの。

こんな事思い出さなきゃいけないの。


早く起きなきゃ、でも体が動かない。



「――――ちゃん」


声がする。


「―――て、――えちゃん。


お姉ちゃん!」



はっ、と目を覚ますと


あたしの体を揺さぶりながら、心配そうに顔を覗き込んでくる弟が居た。


「…あれ、もうこんな時間…?おかえり。」


時計を見ると4時過ぎだった。

「ただいま。…お姉ちゃん大丈夫?」


「大丈夫って…、何が?」


「ずっと、“ごめんなさい”って言ってた。」


「夢…、見てたから…」


「お姉ちゃん、夢の中でも謝ってるの?何で?お姉ちゃん悪くないでしょ?」


< 150 / 299 >

この作品をシェア

pagetop