恋愛なんて、めんどくさい。
色んな事をした。
お陰で通帳はどんどん溜まっていって、中3の夏頃にはアパートの敷金礼金や家具、電化製品代などを引いても、お釣りがくるくらいになっていた。
だから久々に丸1日休んだある日。
いつの間に寝てしまったんだろう。
―夢を見た。
あの悪夢。
小さいあたしは抵抗もせずに
ただ
「ごめんなさい。」
と謝っている。
気分悪い。
せっかくの休みなのに何でこんな夢見なきゃいけないの。
こんな事思い出さなきゃいけないの。
早く起きなきゃ、でも体が動かない。
「――――ちゃん」
声がする。
「―――て、――えちゃん。
お姉ちゃん!」
はっ、と目を覚ますと
あたしの体を揺さぶりながら、心配そうに顔を覗き込んでくる弟が居た。
「…あれ、もうこんな時間…?おかえり。」
時計を見ると4時過ぎだった。
「ただいま。…お姉ちゃん大丈夫?」
「大丈夫って…、何が?」
「ずっと、“ごめんなさい”って言ってた。」
「夢…、見てたから…」
「お姉ちゃん、夢の中でも謝ってるの?何で?お姉ちゃん悪くないでしょ?」