恋愛なんて、めんどくさい。
夜
*****
「…だからさー、逃げて来たんだよ。誰も知らないところで、誰にも関わらずに独りで生きて行こうって決めたの。」
ひとりになりたかった。
楽になりたかった。
ただその一心で
「でも失敗した。計画狂っちゃった。」
「……?」
「坂下店長のせいで。」
―私の事、本当のお母さんだと思っていいからね!
「優美のせいで。」
―私達、今日から親友だよ!
「……深宮のせいで。」
店長と話すのが楽しい。
優美と居るのが心地いい。
こんなこと素直に思えるようになったのも、深宮と出会ってからだ。
ひとりが寂しい。
深宮と一緒に居たい。
こんな事考えるようになったのも、全部深宮のせいだ。
「…俺、好きだわ。柊の事。」
「はぁっ?!」
今の話の流れで、何でそうなるの?!
「柊が、好きだ。」
「………っ!!」
2回も…っ!!
体温が上昇したのを隠したくて顔を背ける。
「……。」
からの無言。…って、なんじゃそりゃ!
ツッコミも兼ねて振り返ると、赤面してる深宮。
「…こっち見んな…」
「やだ。見る。」
わざと距離を詰めて、顔を近付けると赤みが増す深宮の顔。
思ったけど深宮って、結構赤面症だよね…。