恋愛なんて、めんどくさい。
「あっ?!」
自意識過剰とかではなく真面目に。
深宮の視線の先にはあたしの胸があった…とか言ってる場合じゃない!
「やっ!」
必死に体を隠そうと動かした手を、あたしの頭の上辺りに器用に片手で拘束して
ガン見再開。
「そんな見ないで…」
―声が震える。
「恥ずかしい?」
「恥ずかしいに決まってんじゃん…」
―体温が上昇する。
「んじゃもっと見よ。」
「んなっ?!」
―声が裏返る。…??
「なんかマッパよりエロい。」
「へ、変態!」
「何とでも言えば?」
「変態!馬鹿!アホ!マヌケ!ボケ!悪魔!アホ!鬼!カス!アホ!クズ!アホ!アホアホアホ!アホ!豚野郎!!」
この状況で思い付く限りの罵倒に挑戦してみたけど
「…アホ言い過ぎだから。」
全然手応え無し。
「せめて電気消してよ…」
百歩譲って交渉してみるけど
「ヤだね。」
べーっ、と舌をつき出されて終わり。
「…もういい?再開すっぞ「あー!待って!」
えっと、えっと、えっと…
「ゴムは?」
「あー…、持ってねぇわ。付けなきゃダメ?」
「ダメ。ちょっと手ぇ離して」
拘束が外れたのを見計らって、Tシャツを直してショーパンも履き直す。