恋愛なんて、めんどくさい。
ベッドから降りて、化粧品の入った引き出しを開けて、開封前のコンドームの箱を取り出す。
「何で柊、そんなモン持ってんの…?」
「企業秘密。」
まさか自分が使うとは思ってなかったけど。
「あ~、なるほど。ヤル気満々ってワケね♪」
「別にそんなんじゃな…「まーいいじゃん。これで何の問題もないよな?」
ゔ。
「…問題ない事が問題。」
深宮に箱を手渡して、ベッドに腰掛ける。
「覚悟、決まった?」
さっきまでのからかうような口調とは一転、同じ人とは思えないぐらい優しい声色の深宮。
…ずるいよ。
そんな風に言われたら、断れるワケないじゃん。
無言で首を縦に振ると
「今夜は寝かせねぇから。」
さっきとはまた打って変わって色気駄々漏れな深宮。
…だから、ズル過ぎるって。
こんなんじゃ、心臓いくつあっても足んない。
深宮の瞳に吸い込まれるように二人の距離が縮まっていく。
あと3cm…、2cm…、1cm…
0cm。