恋愛なんて、めんどくさい。
そしてあたしは全裸で。
「…え?え?え?」
何何何何何?
必死に脳ミソをフル回転させてみるけど、寝起きの鈍った思考ではどんなに考えても答えが出てこない。
もはや考えるだけ無駄な気がしてきた。
「えー、マジで忘れたの?」
驚きを通り越して呆れてる深宮を前にしても、頭に浮かんだのはただひたすら“眠い”の3文字。
…なんかいつもより睡眠足りてないような気はするんだけど。
でもそれが何でなのかまではわかんない。
寝る、考える、寝る、考える…を繰り返して
やっぱ寝る、という結論に落ち着いた時
「昨日の柊、すっげ可愛かったのに」
そう耳元で囁かれて、フラッシュバックする記憶。
そっか、あたし深宮と…
うぇぇぇ、深宮と?!
「あ、え?えっ…、え?!」
「思い出した?」
「はあ…」
そりゃもう鮮明と。
「つーか目覚まし、鳴ってたから勝手に止めたけど、時間大丈夫?」
「今何時?」
「んーと、8時…16分?」
バイトの時間は9時。
家を出る時間は8時半。
起きる時間は8時。
着替え、メイク諸々に25分。
かなりヤバイ。