恋愛なんて、めんどくさい。
「謝んなよ~。そこは“別に頼んでるとかじゃなくて、深宮がどうしてもって言うなら送られてあげてもいいかな~、って思っただけだから!”…みたいなので返してくれないと。」
ご丁寧に声色も変えて、ポーズまで付けて見本を見せてくれる深宮。
「あたし、そんな典型的なツンデレじゃないし。」
「確かに柊はもっとツンツンしてるよな~」
「別にツンツンもしてな「ま、そーゆうとこも可愛いからいーけど。…ほら間に合わなくなるぞ、急げ~」
言うだけ言って、自分の鞄を持ってサンダル履いてさっさと外に出て行った深宮。
“可愛い”って言葉、乱用し過ぎじゃない?
だから、そんなに言われても嬉しくない…ワケがないです。
思わずニヤケそうになったのを必死に堪えて、深宮を追って外に出た。