恋愛なんて、めんどくさい。

走り続けること5分…



着きました、バイト先。


「お、お疲れ様です…」

ガラッ、とドアを開けて、肩で息をする。


こんなこと、昨日もあったような…


違うのは店長が掃除中じゃなくて、テレビを見てるとこだな。

あと、腰がかなり痛いとこ。



「寧々ちゃん!もしかしてまた…」


「逃げ出さずにはいられない状況に直面しました…」


「今度こそ、彼氏の浮気現場ねっ?!」


…なんでそこで目が輝く。


「違うって昨日も言ったじゃないですか。」


「だって見たいじゃない?修羅場に遭遇して焦る寧々ちゃんのカ・オ♪」


「あっそうですか…」


もはや否定する気力もありません。


相変わらず朝からこのテンションはキツい。

何度やっても慣れないな…


「顔ねぇ~、顔…。そうだ、なんか今日寧々ちゃんの顔が違うと思ったら髪下ろしてるからだわ!」


「そー言えば、結ぶ時間もなくて…。すいません、ゴム貸して下さ「フンフンフ~ン♪」


って言ってるそばから、あたしをイスに座らせて、ブラシとゴムを持ってきて、謎の鼻唄を歌いながらあたしの髪をいじりだした店長。


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