恋愛なんて、めんどくさい。
顔面にどーん。
と、パイを投げる…、ワケにもいかないので、
かわりに、プレゼントを顔面に押し付ける。
「ぶっ!?」
…優美、それ何の声なの?
「6月22日だったら、あともう優美の誕生日くらいしかわかんないんだけど。」
「ねね、ねねね、寧々ぇ…」
“ね”は7回…。新記録更新だな。
「また違った?」
「ひどい!イジワル!嬉しい!ありがとう!!」
怒るのか、笑うのか、驚くのか1つにしてほしいんだけど。
「開けていい?」
目、キラキラしすぎだから。
「どーぞ。」
「わ~!カワイイ~♪」
…って言う前からもう開けてるし。
「こーゆうの欲しかった~♪」
あたしも優美のそのリアクションが欲しかった~♪
「立ち直り早すぎ…。」
「そこも私の取り柄の1つだもん♪…ん?コレ何??」
包みに入ってたもう1つのプレゼントに気付いた優美。
…キタ。
「お守りだよ。」
「お守り?」
「そ。恋のお守り。」
「どんなご利益があるの?」
「今はヒミツー。藤谷と二人っきりになったら開けてね♪」
「うん!わかった!」
作戦大成功。この後が楽しみ…
こみ上げてくる笑いを必死に押し殺しながら、学校までの道のりを歩いた。