恋愛なんて、めんどくさい。


大きな物音に反応して、2人がこっちを向く。



何の音…?



あ、私、カバン…、落としたんだ…。


拾おうと思って、しゃがみこんだけど、手に力が入らない。


「優美?」

寧々が不思議そうなカオをしてこっちを見てる。





何か、言わなきゃ。


でも頭の中が真っ白で何も出てこない。



瞬間、慎くんと目が合って――







――逸らされた。




そう気付いた時には、もう足が勝手に走ってた。



ここには居られない。居たくない。


全部夢ならいいのに…。


でも足は痛いし、横腹も痛い。


どこまで来たんだっけ…?普段こんなに走ること無いから疲れた…。


とりあえず近くの階段に腰掛ける。



慎くんは、寧々が好き…。

全然実感がわかないよ。



どうしよう、私、どうしたらいいの…?


うずくまっていると、

「…優美。」


突然名前を呼ばれた。


顔を上げると


「慎くん…?」


困ったカオをした、慎くんが立っていた。



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