恋愛なんて、めんどくさい。
「…今、慎がすげぇ勢いで走ってったんだけど、アレ何…?」
いつの間にか戻ってきてた深宮が、目を丸くしてる。
「さぁね。」
ホント騒がしい…
「ま、どーせ萩原絡みだろーけど。」
「…もう2人で勝手にやってればいい。」
呆れて物も言えないって、こーゆう時に使うんだな。
「で、柊は慎とふたりっきりで何してたの?」
いつの間にか近くに来てた深宮が、ちょっと怒りを含んだ声で聞いてくる。
「…おしゃべり?」
「ふーん。俺が1人で荷物運んでる時にふたりっきりでおしゃべりねぇ…」
あ~、そーゆうこと。
「ごめんね~?押し付けちゃって。」
1人で運ばせた事に怒ってたんだ!
「そこじゃねぇんだけど…。
あ、じゃあお礼くんない?」
お礼?お礼って…、謝礼金?
「給料日前だから、そんなに持ち合わせてないんだけど…」
「アホか。金なんか取るわけねぇだろ。」
「…じゃ何?」
「柊からキス、して♪」
「はぁ?!ムリ!」
「えー、何で?」
「だって、あたしからって…、第一ここ教室だし!」
「廊下ならいいの?」
「んなわけないでしょ!」
「じゃ、保健室?」
「…もう帰る!」
立ち上がったその時―