恋愛なんて、めんどくさい。

「…今、慎がすげぇ勢いで走ってったんだけど、アレ何…?」


いつの間にか戻ってきてた深宮が、目を丸くしてる。


「さぁね。」

ホント騒がしい…


「ま、どーせ萩原絡みだろーけど。」


「…もう2人で勝手にやってればいい。」

呆れて物も言えないって、こーゆう時に使うんだな。



「で、柊は慎とふたりっきりで何してたの?」

いつの間にか近くに来てた深宮が、ちょっと怒りを含んだ声で聞いてくる。


「…おしゃべり?」


「ふーん。俺が1人で荷物運んでる時にふたりっきりでおしゃべりねぇ…」


あ~、そーゆうこと。

「ごめんね~?押し付けちゃって。」


1人で運ばせた事に怒ってたんだ!


「そこじゃねぇんだけど…。
あ、じゃあお礼くんない?」


お礼?お礼って…、謝礼金?

「給料日前だから、そんなに持ち合わせてないんだけど…」

「アホか。金なんか取るわけねぇだろ。」


「…じゃ何?」


「柊からキス、して♪」

「はぁ?!ムリ!」


「えー、何で?」

「だって、あたしからって…、第一ここ教室だし!」

「廊下ならいいの?」

「んなわけないでしょ!」

「じゃ、保健室?」

「…もう帰る!」


立ち上がったその時―

< 193 / 299 >

この作品をシェア

pagetop