恋愛なんて、めんどくさい。
ガシッ
手首を掴まれた。
「キスしてくれるまで、帰さない。」
「バイトあるし…」
「俺が送ればいいだけの話。」
そのまま手を引っ張って、あたしを壁に追い詰める深宮。
「え?」
「なあ、してよ。」
「どうしてそこまで…」
なんか変なんだけど…
「んー、ヤキモチ?」
「へっ?」
何で?
「もう俺からする。」
そう言って、あたしの顔に掛かってた髪を退かす。
「…消したんだ。」
「何を…」
「俺のもんってシルシ。」
拗ねたように言いながら、キスマークのあった場所を指でなぞる深宮。
「…消えたの。」
ホントはコンシーラーとファンデーションで念入りに隠したんだけど。
「ウソつけ。2、3日で消えるほど軽くつけてねぇし。」
「消えたんだってば。」
「なら、もっかいつけるわ。今度はそんなすぐ消えないヤツ。」
そう言いながら、こないだとは逆の方の耳の付け根あたりに唇を這わせる深宮。
ちゅうっ、と吸い上げられると同時に、背中に這い上がってくるゾクゾクとした感覚。
「ん…っ」
唇を噛んで必死に声を押し殺してると、
「…柊は、首も弱いよな…」
ニヤリと笑って、さっきより強めに吸い上げてくる深宮。