恋愛なんて、めんどくさい。

深宮の口によって。


ヤバい。また舌入れられたらイロんなイミで終わる。

理性保ててる間になんとか逃げなきゃ。


早くも力が抜け始めてる足を叱咤して、大きく振りかぶって、

深宮の爪先めがけてどーん。


必殺★かかと落とし!


「……っ?!」

っし、命中♪


「ってぇ~…」

しゃがみこんで上履きの上から爪先を撫でてる深宮。

…涙目になってるし。



正直こんなに効くとは思わなかったけど、何はともあれ脱出成功。


「なにすんだよ…」

しゃがんだまま立ってるあたしを睨み付けてくる深宮。


そんな潤んだ瞳で睨まれても…


迫力0。むしろカワイイ。

深宮って産まれてくる性別間違えたんじゃないかな。


「ごめ~ん。足滑っちゃった♪」


いつも見上げる事が多い分、たまには見下す…じゃなかった。見下ろすのもいいかも♪


「…見せてんの?ソレ。」


「?どれ?」


「白のレース。」


白の、レース?


「…なんか、まだまだ足が滑りそうな気がしてきた…」


「わー、不可抗力だから!」


「さっさと立て。」

前言撤回。見下してるけど、見下ろすのはやめる。


「マジ悪かったって~。」

のんびりと立ち上がる深宮。


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