恋愛なんて、めんどくさい。

ドキッ!


うわイケメン…。

って、あのクール王子とか噂の藤谷慎じゃん!


「いえ、こちらこそ…。前見えてなくて…。」

びっくりしながらも一応返事をする。


「どーせ後藤に渡されたんだろ…。
萩原も大変だな。」

ふっ…っと、微笑んで一緒にプリントを拾ってくれる藤谷慎。

声なんて初めて聞いた。
笑顔なんて初めて見た。

…私の名前知っててくれたんだ。


ドキン…!!


心臓が大きな音をたてる。


拾い終わると、


「…これ。俺持ってくから…。」

「いいよっ!私の仕事だし…。拾ってくれただけでも充分…。」


「…別に。俺も職員室行く用事あるし。


女…、なんだから、あんまり遅いと危ないだろ?」

ちょっと照れたように話す藤谷くんに

きゅんっ!



どうしよう…。今絶対顔赤いよ…。


「じゃ、じゃあ…、お願い…するねっ?

どうも…ありがとう…。」



あああ、最後の方、小声になっちゃった…。

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