恋愛なんて、めんどくさい。
何そのリアクション!
「…何なの?」
言いたいことあるならハッキリ言って…、
でもハッキリ『キモい』とか言われたらそれはそれでキズつくか…
「…可愛い。」
「は?」
「なんかいつもと違う…、髪型?」
そう言って近づいてきてあたしの髪に触れた慧。
「別に…、違ってないと思うけど…。」
「オシャレしてきてくれたんだ?」
「し、してない!」
「俺の為に?」
「…んなワケないでしょ。」
「はいはい、寧々はかわいーねー♪」
と言って、今度は超笑顔で頭を撫でてきた。
「馬鹿にしてんの?」
「全然?かわいーかわいー♪」
…さっきまでの余裕なさそーな慧はどこ行った。
ぬぁ~っ!もうっ!
「…ムカつく。」
「何が?」
こんな軽いのに、こんな馬鹿にされてんのに、
…嬉しいとか思っちゃったあたしが。
「…知らない。」
頬の筋肉が勝手に緩んでくのがわかったけど、どーすることも出来なかった。
今のあたしはセリフと声色と表情の統一感0だな。
「…?」
きょとんとしてる慧は無視して
「で、今日どこ連れてってくれんの?」
話を変える。