恋愛なんて、めんどくさい。

どこまで遡るべきか…、そうだな。とりあえず今日家を出た辺りぐらいからにするか。




「はぁっ?!何でだよ!」


待ち合わせ場所に20分以上前に着いて、寧々を待っていた俺はスマホに向かってキレていた。


『だからぁ~、今日の昼12時!荷物届くんだって~。私忙しいんだから何度も言わせないでよね。』



電話の相手は俺の8歳年上の姉、深宮香織(フカミヤカオリ)。


「だから俺今からデートで、俺の方が忙し『うっさいわね!つべこべ言わずになんとかしなさい!じゃ私もう仕事だから。』

―プー、プー、プー。


…アイツ、言いたい放題言って切りやがった…。




両親は俺が高校に入学したときから海外を飛び歩いてるから、あの家に住んでるのは俺と姉貴の二人だけ。


つまり姉貴が居ないとなると、その荷物とやらを受け取る人は俺しかいないワケで。




はぁー。俺の勝手な都合でデートキャンセルとか…。


…いや、そんなことにはさせない。してたまるか!



最善の策は~…、やっぱアレだな。寧々を家に呼ぶ!

荷物受け取るまで待って貰ってそっから出掛ければいいし。

寧々が嫌だっつったら、そんときはそんときで荷物なんかほっとけばいいんだよ!


となれば、やることは1つ。



寧々の分も切符を買って、寧々を待つのみだー!


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