恋愛なんて、めんどくさい。
「えー?だってこんな綺麗な人に頼まれたら、断れないじゃん♪」
「嘘つけっ!!」
目が笑ってんじゃねーか!
「慧うるさい。ちょっと黙って。
…それより挨拶が遅れました。初めまして。私、柊寧々と申します。
慧のお姉様…ですか?」
「そう♪深宮香織って言うの♪よろしくね、寧々ちゃん♪」
「はい、宜しくお願いします、香織さん♪」
おいっ!俺ほったらかしで何硬い握手なんか交わしてんだよ!
「だから、姉貴何で居んの?仕事は?荷物は?!」
「はいはい、今説明するから。
…一昨日の電話、丸聞こえでね。やれデートだー、やれ待ち合わせだー、って慧の浮かれた声が気にさわったから、ちょっとイジワルしよっかなーって♪」
…なんだと?
「…だから、仕事行くって嘘ついて荷物届くって嘘ついて、俺らの邪魔したってワケ?」
「嘘とか邪魔とか言ったら語弊があるけど、まっ、大方そんな感じ?」
「そんな感じ?っじゃねぇよ!何してくれてんだよ!!」
「なによ!彼氏と別れて傷心中のお姉ちゃんにあんな話聞かせるから悪いんでしょ!」
「勝手に盗み聞きしたのはそっちだろ!大体、別れたのだってどーせまた姉貴の二股が原因のクセに!」