恋愛なんて、めんどくさい。
「そう言えば、寧々ちゃんは学生さん?」
俺をからかうのを止めて寧々に向き直った姉貴。
「はい、慧と同級生です。」
「そうなの~?落ち着いてるし大人っぽいからつい大学生くらいかな~って。」
「老け顔なだけですよ。香織さんはお若いですよね♪」
「やだぁ~♪こう見えても、もう25なんだけどね~。」
…なにがこう見えても、だ。どう見たって妥当だろーが。…と言ってやりたいところけど、言えない。
「何のお仕事、されてるんですか?」
「美容師なの♪コイツの髪、染めたのも私♪」
「…中学の卒業式の後、練習台になれ!って無理矢理…。」
俺に何の断りもなく勝手にこの色に…。
「そうなんですか?私てっきり地毛かと思ってました。」
「でしょ?違和感無いでしょ?」
…俺はあったけど。
「はい!ムラも無いし、すっごい似合ってますし!」
え?!今寧々が言ったんだよな…?
恐る恐る寧々の方を向くと、蕩けるような極上の微笑みが返ってくる。
はい?!誰ですかあの天使は?!
キャラ違いすぎんだろ!どうしたんだよ寧々!
俺が混乱してる間に話はどんどん進んで行く。