恋愛なんて、めんどくさい。
ソイツは俺の方に向き直って
「寧々の兄の柊京太です。」
軽く会釈して名刺まで渡してきた。
超子供っぽい態度をとった俺が恥ずかしくなるくらい、社会人的で冷静な対応に面食らう。
…って怯んでる場合じゃねぇし。
俺も挨拶しようとしたその時
「あたし今から彼氏とデートだから、早く帰ってくれません?」
俺の腕に抱きついて満面の笑みでそう言った寧々。
いや、さっきまでバイトだって言ってませんでしたっけ?!
「すぐ終わる。」
えっ、突っ込まねぇの?!
「なら早くして。」
今度は俺の腕をパッと離してさっきまでの無表情に戻った寧々。
…なんなの、この兄妹。
ついていけてないの俺だけ?
「…母さんが入院した。」
えっ?!