恋愛なんて、めんどくさい。

「正解は、『何であんたが寝てんのよ!働かないあんたなんてただのゴミ。』と言って外に追い出して鍵をかける、でしたー。ちょっと難しかった?」






……!


「ま、幸い?チェーンはかかってなかったから、ピッキングして入ったわけだけど。」


……


「こんな記憶しか無いからかなー、今さら死なれても何の感情も沸いてこないんだよねー。」

……


「あれっ?慧が黙るなんてめずらしー。もしかして引いちゃった?」


お~い、と言いながら俺の顔の前で手を降る寧々。


いつもなら、覗き込むような上目遣いとか萌えポイントでしかないんだけど、今はそのわざとらしさが無理してるようにしか見えなくて痛々しい。


「…寧々はそれでいいんだよな?」


「当たり前ー。」


「後悔、しないよな?」


「馬鹿じゃないのー?…早いけどバイト行くね。バイバイ。」
一度振り返って手を振って角を曲がって行った寧々。


普通に追いつく距離だけど
追いかける事は出来なかった。


もういいよ、そんな風に突き放された気がして、


寧々が見えなくなっても、しばらくの間動くことが出来なかった。


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