恋愛なんて、めんどくさい。
日差しが照りつける夏の午後。
余裕で30℃は越えてるだろう気温の中、チャリで走り続けること一時間…?いやもっとかも。…考えたくねぇ。
汗だくで、荒い呼吸を繰り返しながら居酒屋『さかした』の看板の前でチャリを停める。
「こんにちわー…」
ガラガラなる引き戸を開けながら中にいる人にそれなりの声で話しかける。
「ごめんなさ~い、まだ準備中なのよ~」
と言いながら振り向いたのは、40代前半くらいのオバサン…って言ったら失礼なくらいキレイな女の人。
つーかこの顔、どっかで見たことあるような気がする…?
「すいません、あの「あらっ?ヤダイケメン~♪って、あなた未成年でしょ?ダメじゃない、こんなとこ入ってきちゃ。」
「いや、だからその「まぁ、でもせっかく来てくれたんだしお茶くらい飲んでって♪もちろんお酒は出さないわよ!ウーロン茶でいいかしら?」
「あのお茶じゃなくてですね!寧々…いや坂下美玲…だっけ。えっとそんな名前の人を探してるんですけ「えっ?寧々ちゃん?あっ!あなたもしかして寧々ちゃんの彼氏?」
「は、はい。そうです…。」
こないだフラれたばっかだ、とは言わないでおこう。