恋愛なんて、めんどくさい。

まるで。



《慎に用なら俺じゃなくてアイツに直接言えばいいのに。》


そんな風に言われた気がして。

そして、明らかに何トーンか下がったその声色のせいで。


次の言葉を紡ぐのを、一瞬躊躇ってしまった。




「あ…、その…。好きな人とかって、いるのかなって…。」
「いるよ。」


即答。



「どんな人?」


「黒髪で可愛い奴だって。」


《お前は茶髪だし、お前は可愛かねぇよ。残念だったな。》



…みたいな?

そんな受け止め方をしてしまったのは、あたしの性格がひん曲がってるからなのか、、


いや、ホントにそんなニュアンスだったんだって。






それは置いといて、

これで確定したな。




「それってさぁ、優美のことでしょ。」




「……っ?!」




完璧不意を突いたみたい♪


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