恋愛なんて、めんどくさい。
俺のせいで遅くなったから、とか。
急いでるんなら少しでも早く帰った方がいいから、とか。
言い訳はいくらでも出来るけど
本当は
ただ柊と少しでも一緒に居たかったから…
だとか。
…柊には、絶対言えない。
チャリを引っ張り出して。
「よし、乗れ。」
俺が先に乗って、柊に声をかける。
そういえば、後ろに人を乗せるなんて初かもしれない。
基本俺は慎のチャリに乗る方だからな…。
「うん、乗ってやる。」
ちょっと遠慮がちにちょこんと乗ってる柊が、なんか可愛くて
「ちゃんと捕まれよー。」
腕を引っ張って、俺の腰に回させる。
なんか背中が暖かい…。
い~匂いするなぁ…。
緊張してんのかな…、少し速い鼓動が伝わってくる。
てゆーか胸当たってるんですけど?!
って、変態かよ俺はっ!
そもそも自分で引っ張ったんだろーが。
ヤバい、ヤバい。
「んじゃ、しゅっぱーつ。」
さっさと動かないと、マジヤバい。