恋愛なんて、めんどくさい。
「…そういえば、いつもこんな遅くまでバイトしてんの?」
「ん~…。平日は大体この位の時間かな…。」
「危なくねぇ?」
「別に?生活かかってると思えば大したことない。」
「生活?」
「あ~、独り暮らしだから。」
「独り暮らし!?」
「…そんな驚く?」
「ますます危ねぇな…。」
「大丈夫だって。人ひとり位なら締め上げれるし。」
「そーゆうもん…?」
「そーゆうもん。」
「何で独り暮らしなんか…」
…………。
「…ひとりが好きだから。」
…それ以上の理由なんてない。
「……そーゆうもん?」
「そーゆうもん。」
あたしの投げやりな言い方のせいか、
その後深宮は一度もこの事に触れなかった。
…20分ほど喋って。
「じゃ、また学校で。」
「…ん。またね。」
プー、プー、プー。
先に電話を切ったのは深宮。
…良かった。
何かあたしからは切れなかった気がする。
もう遅いから、お風呂は止めてシャワーにして
さっさと寝よ。
…ダメだ。
もっと喋ってたかったとか考えちゃダメだ。