恋愛なんて、めんどくさい。
外に出ると。
「二人とも、どこ行ってたのよ!」
珍しく萩原が怒ってる。
「お化け屋敷だけど。」
「なんで私達置いてったの!」
柊がちょいちょいっと手招きして、萩原を呼び、
耳元で何かを囁いてる。
てきめんに萩原がボッと赤くなったかと思うと、照れ笑いを始め、
もう一度柊が何かを囁くと、
ハッとした顔をして、苦々しく首をふってる。
パコーン!
と、こ気味のいい音が聞こえた。
「痛い~…」
後頭部を押さえて涙目になってる萩原。
「そんなに強く叩いてないし。」
そのわりには、凄い音しましたよ?
「鬼ぃ~…。」
「優美が悪い。」
はぁーっ、とため息をつき
「深宮」
「ん?」
あれ、あれ、と何かを指差してる。
なるほどね。
そこにあったのは。
ー観覧車。