恋愛なんて、めんどくさい。
藤谷くんは優しいから。
私がフラレる前にやんわり断ったつもりだろうけど、
私は《クールな無表情王子》を好きになったわけじゃなくて、優しい《藤谷慎くん》を好きになったんだもん。
顔だけで判断してる他の女子とは違うんだから!
1回フラレた位でめげる優美サンじゃないよ!
でも、フラレるのはやっぱり辛いな…。
迷惑ついでに、寧々にやけジュースでも付き合ってもらおう…。
「萩原優美さんのことが好きです。
…俺と付き合って下さい。」
フるならはやくフってよ…
って、えっ?
今『付き合って下さい』って聞こえたような…
幻聴?幻聴まで聞こえるようになっちゃったの、私?
目の前の藤谷くんの表情は、真剣で。
少し顔が赤くて。
「ええぇ~~~~~~!!!!!
幻聴じゃない…?」
「幻聴…?じゃないよ。」
「だって私、性格悪いって…」
「今日は素だったでしょ?」
「なんでそれを…。」
「…見てたから。
教室でも他の人といるより、柊といる方が楽しそうだったし。」
私そんなに分かりやすかった?