恋愛なんて、めんどくさい。
そもそもあたしだって深宮に聞いたじゃないか。


「気になるから。」

そう言ってあたしの目をまっすぐ見つめてくる、深宮。




…こーゆうの苦手だ。





深宮から少し目を反らしながら

「…秘密。」

ボソッと言った。


「なんだよ、ケチ~。」


拗ねてるっぽいけど無視。



別に勿体ぶってるわけじゃない



ただ、言いたくなかっただけ。
ただ、触れたくなかっただけ。



―ただ、思い出したくなかっただけ―

















「…また、来ような。」


「……?」


「遊園地。」


「……。」



子供じゃないんだから、そんな言葉一つで簡単に喜んだりなんて

「…チケットがあってどうしても連れて行く、ってゆーなら、連れて行かれてあげないこともない。」


…する。


「ったく、素直じゃねぇんだから。」


「別に行きたいとは言ってないし。チケットが無駄になるのを恐れてるだけだから。」


「あー、はいはい」

ツンデレかよっ、とか言いながらケラケラ笑ってる深宮。



悪かったわね素直じゃなくて。
心の中で毒づいてると、






「そーゆうとこ、



ホント可愛いよな。」

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