恋愛なんて、めんどくさい。

「だから~、あたし忙しいんですってば。あんたらと関わってる暇なんてないんですよ♪」

「はあ?」



…完璧間違えたな。



「人が下手に出てれば、調子こきやがって…!」



“調子こきやがって”ってワード、聞き覚えがあるような…。

じゃなくて。


「離して下さい。」


あたしの腕を掴む汚い手。


「力ずくでも連れてくぞ!」



どこ連れてく気よ。

イラッ。

「そもそもそんな気色悪いツラでよくナンパなんか出来ましたよね~。その勇気は称賛に値しますけど、そこ以外は全部クソなんでさっさと失せて下さい」





・・・。





あっちゃ~。テヘペロ☆



キレるを通り越してもはや唖然としてるチャラ男三人組。



あたしの腕を掴む力が弱まったのを見計らって、

バッと振り払って、逃走!


「逃げてんじゃねーぞ、このアマ!」



…は、出来なかった。


逆の手が掴まれた。



あ~、ウザ。




せめて2人なら追っ払う事くらい出来たのに。


つか1人めっちゃガタイいいやついるし。

どーしようか困ってると、

「悪ぃ、遅くなった」


そう言って、ナンパ野郎の手をあたしの腕から誰かが引き剥がしてくれた。



この声は…

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