気まぐれな君も好きだから
バラされたのが嫌っていうより、何となく恥ずかしい。

だって、仁科君は私の立場を正しく理解しているはず。

突然、そんな生々しい報告をされて、どう思ったんだろう........



「ちょっとショックだったみたい。」

「なんで？」

「仁科、ふざけてばっかりいるからわかんなかったかもしれないけど、あいつも入社したての頃は歩未に憧れてみたいだから。」

「え？」

「ま、彼氏さんもいたし、手が届く訳ないって思って、最初から諦めちゃったらしいけど。」

「.........。」

「だから、叶わないとしても、俺が体当たりでここまで来たことは褒めてくれた。辛いけど、頑張れって。」

「ふ〜ん......。」

「でも鰹、上手く切れるようになったご褒美に奢ってもらう約束してるから、その時は二人で行くとか言い出して、そんなの嫌だから、俺も行くって言っといた。」

「ふふふ.......いいじゃん、そのくらい。」

「ダメ。やだ。」

「変なの。」

「変でいいもん。」



相変わらず、単純でカワイイ。

俊にはどんなに嫉妬してても何も言わないくせに、そんなところに拘るんだ。

思ったままに愛情を表現できる遥希が羨ましい。
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