気まぐれな君も好きだから
幸せそうに微笑む遥希と、手を繋いで歩く。

センスのいい派手めのプリントの白いTシャツに、ピッタリした細身の黒いパンツ、腰にデニムのシャツを巻いて、オニキスのチョーカーにゴールドのネックレスを重ね付けした遥希は、どこぞのアイドルみたいな可愛いさだ。

お店にいる時よりも断然キラキラ度が増しているし、普通にしているだけで、何となく女の子の視線を集めている。



そのビジュアルで、いつもと同じ、いやそれ以上にベタベタしたがるから困ってしまう。

遥希の作り出す独特の甘い空気にやられてキュンキュンさせられっぱなしだし、その反面、自分が遥希とは釣り合わない年上のオバサンに見えてるんじゃないかって何度も気にしちゃったりもする。

五つも年下の男の子と昼間から堂々とデートするなんて初めてだから、いろんなことでいっぱいいっぱい。

余計なことを考える暇もなければ、胸を傷めることもない。



久しぶりに心から笑って、求めていた安らぎだけじゃなく、ときめく気持ちも思い出せた気がする。

遥希には悪いけど、私にはやっぱり遥希が必要なんだろうな。

あくまで都合の良い関係でしかないけど、遥希は私を労わるだけじゃなく、いつも支えてくれている。

自分もいっぱい甘えて来るけど、それ以上に私を甘やかしてくれる。
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