気まぐれな君も好きだから
だから時々、考える。

こんな環境にいながら、影で私を守ってくれる遥希は、本当はとても強い人なのかもしれないって。

見た目の可愛さとフワフワした柔らかい雰囲気に騙されちゃうけど、隙だらけですぐ誰かに頼りたくなっちゃう私なんかより、実はよっぽどしっかりしているんじゃないかって。



遥希に見つけてもらえた私は、ラッキーだ。

もし遥希に愛されていなかったら、今頃、私はどうなってるのかな.........



駅ビルの屋上から落下し、建物と建物の間を高速ですり抜けて行くハードなジェットコースターに挑戦したら、降りた後、遥希が珍しく無言になっていた。

顔色も良くないし、ちょっと無理させちゃったかも。



「大丈夫? 」

「うん。.......あんまり大丈夫じゃない。」

「じゃ、少し休もうよ。」

「そうだね。」

「ごめんね。無理させちゃって。」

「ううん、無理なんかしてないよ。激し過ぎるけど、楽しかったし。」

「私、何か飲みもの買って来る。座って休んでて。」

「うん、ありがとう。」
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