気まぐれな君も好きだから
『誘ってくれてありがとう。古谷君こそ元気? 今日は用事があるからダメだけど、どっかステキな所に連れてってくれるなら、休みの日でも付き合います(^o^)また誘ってね♪ 』



遥希の所に戻る前に、古谷君と同じくらいのテンションで返信しておく。

確約のない曖昧な約束なのに、なぜかウキウキしてしまう。



遥希とデートしている最中にこんなことを改めて思うのはおかしいけど、私はやっぱり古谷君が好きだ。

たったこれだけのことで、こんなに気持ちが高揚する。

気付いてしまった気持ちには、もう嘘はつけない..........



戻って、ベンチでうなだれていた遥希に冷たい飲み物を差し出すと、穏やかな笑みが返ってきた。

何とか復活した様子に、ホッと胸を撫で下ろす。



「ありがとう。もう大丈夫だから。」

「良かった。」

「ねぇ、次、観覧車乗らない?」

「うん、いいよ。」

「夜景が見たいから暗くなってから乗ろうとかと思ってたんだけど、キツイのいっぱい乗ったし、ちょっと休もう。」

「そうだね。フリーパスだから、後でもう一回乗ってもいいし。」

「うん。じゃ、そうしよう。」
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