気まぐれな君も好きだから
こんなトキメキを感じるのはいつ以来?

ハル君のくれるトキメキはとても新鮮で、毎日、職場に来るのが楽しい。

会えると思うと、幸せな気持ちになれる。



そんな日々を過ごすうち、気付けば、成果を評価されない職種に荒みかけていた心は、つまらないコダワリを忘れていた。

ちっぽけなプライドも薄れ、深く考えず、フラットな状態で仕事に臨めるようになった。



ハル君との毎日はそんな風に良いことずくめだったから、私達が特別仲良くなるのに、そう時間はかからなかった。

私も多分、少しずつ彼を好きになって行っていた。



それを感じ取ったからなのか、だんだんハル君の態度にも変化が見え始めた。

「好き好きアピール」がわかりやすくなり、終業時間の遅い私を待って一緒に帰ったり、他のメンバーも交えてご飯を食べに行ったりする機会が増えて行った。

ハル君が私を好きだということも、あっという間に店中に知れ渡る事実となり、二人でいると何かとからかわれたり、ハル君にエールを送られたりするようにもなった。
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