気まぐれな君も好きだから
「将来」って言うからには、「結婚」を考えろっていうことなんだよね?

っていうことは、場合によっては近々プロポーズされちゃったりする可能性があるのかな。



もちろん私だっていつかは結婚したいと思ってるし、それなりに憧れも持っている。

でもそれを今の自分に当てはめようとしても、どこかピンと来ない。

私くらいの年齢の女の子なら、そういう話をされたら大喜びするのが普通だろうから、反応が薄くて、俊は肩透かしを食らったかもしれない。



だけど今、それを考えるのは難しい。

ただでさえ結婚に対して疑問を持っているタイプな上、正直、私の中で俊のいる場所は、少しずつ変わり始めている。

またここでテキトーな返事をして、後悔するのはまっぴらだ。

もし明日、そういうことになったら、やっぱり返事を遅らせるべきなんだろう。



「じゃあ、明日、何時くらいに行けそうか、わかり次第メールする。早めに行けそうなら店にも寄りたいし。」

「わかった。」

「歩未はやっぱり仕事続けたいんだろう?」

「え?あ、うん、できれば。」

「そうだよな.....。」

「それが?」

「いや、何でもない。じゃ、明日ね。」

「うん.......。」
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