気まぐれな君も好きだから
私にはそれが哀れでならないし、うちの両親を見ていると、「結婚って何なんだろう」なんて、答えの出せなそうな疑問に行きつく。

だから結婚に憧れはあるけど、結婚すれば必ずしも幸せになれるとは思っていない。

二十代女子っぽくない、鬱屈した可愛くない考え方かもしれないけど。



複雑な家庭に育ったことを子供の頃は、何となく隠していた。

外に漏らすことを母は嫌がったし、そういう家庭に見えないよう、いつもお爺ちゃんがそばにいて金銭的にも精神的にもサポートしてくれたから、それでも何とか平気でいられたし。



だけどお爺ちゃんが死んだ後、他の誰かに甘えたい、頼りたいと思うことがなかった訳じゃない。

だから自分をわかってほしくて、友達だったり、彼氏だったり、心を許せると思った相手に、ほんの触りの部分だけ何度か話してみたことがある。



で、結果として、これはやっぱり言わない方が良いことなんだって気が付いた。

こんな重い話、誰だって聞きたくないのだ。

ほんの少し話しただけで、引かれているのがすぐわかる。

それが今の私の人格を作った大きな要素だとしても、誰もそんな面倒をわざわざ受け止めようなんて思わない。

話すことによって、言わなきゃ良かったって傷付くくらいなら、我慢しちゃった方がいい。

いつしか、そんな風に思うようになって行った。

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